ドイツの宅配便事情 / Delivery in Germany
日本と比べるとすると、違いは
- 予定日時や指定時間はあってないようなもの
- 配送は建物入り口まで
- 受け取りは近所で助け合い
ってとこかな。
- 予定日時や指定時間はあってないようなもの
そのまんま。
予定日時が伝えられていても、その時間と全く関係ない時に来る。
三日前に届いたりする。トレースをしてみると、まだ発送していないステータスなのに手元にあったりする。
遅れるよりはやたら早いことが多いので家に誰かいるなら問題はない。
問題は指定オプションがあっても指定時間に来ない。
午前中指定でも午後に来たりする。
これは慣れるしかない。「来たらラッキー」くらいの気持ちで。
怒っても無駄。と言いつつも改善を願って後日クレームは玉に入れる。
クレームというよりは嘆願書に近い。
- 配送は建物入り口まで
これも言葉通りだが、荷物はあなたの家の玄関まで配送するものではないかもしれない。
小さな物なら面倒なのでサインもらうついでに持って来てくれるが、マンションの場合、基本はマンション入り口まで。
そこから自分家までは自分で運ぶ。
これを知らずに宅配のお兄さんに悪いことをしてしまった。
私の家は8世帯が入ったマンションの2階にある。(5階建)
建物入り口のベルが鳴り下の扉(建物入り口扉)の鍵を開けると、小さな荷物は2階の私の家の玄関まで持って来てくれていたのでなんの疑問も持っていなかった。
ある日、家具を色々買い揃えていたため、大きめの荷物達(大きいのが3箱)が届いた。
呼び鈴が鳴り、下の扉の鍵を開けて家で待っていると、もう一度呼び鈴が鳴り「降りて来て」と言われた。
行くと、重い箱を建物入り口前に並べて、「はい、これで全部ね。サインちょうだい」と言ってそのまま帰ろうとするので「いやいや待ってよ。ここまだ家じゃないし。ちゃんと家まで運んでよ」というと「え?これが普通だよ」との回答。
出たー。自分が嫌な場合平気で嘘つくこの感じ。嘘というよりは自分の意見を端折って正しそうに言う。今のセリフは「え?(荷物重いし、俺にとっては)これが普通だよ(ってしないときついでしょ)」ってことだなと解釈。
ただの職務怠慢じゃいと思い一つ運ぶようにお願いして荷物を自分家に運んだ。
すごく悶々としていたのだが、これが彼の言う通りだったらそれはそれで私はモンスターカスタマーだなという思いもあり、友人と飲んでる際に聞いて見た。
「それ普通だよ。建物までが彼らの仕事」と言う返答が満場一致で返って来た。
なんと、やらかしたのは私だった。
女性の友人は風邪で寝込んでいる時に重い荷物が届き、「風邪で辛いから玄関まで運んでくれないか」とお願いしたら「ふざけるな、早く取りに降りてこい」と言われたらしい。
風邪だと嘘をついていると思われたのだろうが、さすがにそこは運んであげても良いのでは。。
何はともあれ、配達は世帯がある建物まで運ぶというのが生業らしい。
- 受け取りは近所で助け合い
宅配ボックスなるものがあるか(ドイツにあるか知らない)、コンシェルジェがいるような高級マンションに住んでいれば別だが、不在時の宅配受け取りは近所での助け合い。
宅配業者も、受取人が何度呼び鈴鳴らしても出ない場合は周りの人の呼び鈴を鳴らし始める。
同じ建物でなくて、隣の建物の方の荷物も預かったことがある。
預かってもらったこともある。
自分宛の荷物の場合は、不在通知がポストに入っており、誰々さんに何時何分に預けたよと記載されている。
その方を訪ねると、待ってましたよとばかりに郵便物をくれる。
逆の場合は宅配業者から「誰々に届けたいんだが不在なので預かって」と呼び鈴が鳴る。
受取人代理でサインをし、荷物を保管。その内受け取りにくるので名前聞いて渡す。
再配達をお願いしたりするよりは断然楽だなと思う。ご近所さんも挨拶かわすので、見知った顔の人が持ってくれているなら少し安心。
便利さとは自分も忙しさを享受すること、ってのは誰が言ったことだったか。
正確な時間に訪問したり、何度も訪問したり、それは受け取る側は便利だがそれに合わせて忙しく自分の時間を使う人がいるわけで。そういった世界を望むならあなたもその一部になる必要がありますよと。
助け合いやのんびりを楽しみつつ、ちょっとしたズレや曖昧さになんとも思わない鈍感力をつけていかなければなぁ。